三毛猫ミーコの思い出話⑪ミーコずぶ濡れ事件

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はじめに

「星ナビ」の2025年2月号でお知らせしていた、私がお手伝いした作品を収録した「クトゥルー神話アンソロジー集」なんですが、2月刊行予定だったのが延期された様です。元々は2024年11月刊行予定だったのがえらく延びたもんですね。ハッキリしたらまたお知らせします。

担当さんにSMSで問い合わせても反応がありませんし、相当忙しいのかもしれません。

 

ミーコの野性

ミーコはご多分に漏れず、何処にでも飛び乗る猫でした。小さいうちは大した高さには達しませんでしたが、成長してからは庭の植木から塀に飛び乗り、そこから物置に移り隣接した松の木を登り、ベランダに飛び移ってから二階にある私の部屋に来るようになっていました。キャットウォークどころじゃありません。
私の部屋に入る時には網戸にドバンと飛びついて「来たよ~」とアピールしていましたが、いつまでもそんな事をされていては網戸が保ちません。いつも爪が引っかかってしまい、降りられなくなっていましたし。その度に私が網戸に引っかかっている爪を外して降ろしていたものです。なので何にでも興味を示す好奇心と負けん気の強いミーコの性格を利用する事にしました。私の言う事もある程度は聞いてくれるので多分やってくれるだろうという期待もありましたし。
私の部屋はベランダに隣接していました。だからこそミーコが窓から出入りしていたのですが、当時のミーコはベランダから出ようとする時、爪で網戸たガラス戸をカリカリと引っ掻いてアピールするだけでした。なのでミーコが部屋に来た時、窓際に呼んで教える事にしたのです。
「いいか、ベランダに出たい時にはこの網戸をこっちに押して開けろ。体重をかければ出来ると思う。自由に出られるようにここのガラス戸はいつもお前が通れるだけの幅で開けておくから。」
と、ミーコが通れるくらいにガラス戸をあけて見せました。これで後は網戸だけ開ければ出られる状態です。するとミーコは「いいの?」と言う顔を向けます。「好きに出入りしろ」と言うと目を瞑って納得を伝えて来ました。これでOKです。それ以降ミーコは両の前足を網戸にかけ、体重を乗せて網戸を開け出入りするようになりました。私は常にガラス戸を僅かに開けておくようになったので、冬は少し寒い生活になりましたがミーコが膝に乗り寝ていたのでそこまで寒かった記憶はありません。若かった頃のことですしね。

ずぶ濡れのミーコ

そんな「猫ドアが無かった時代」ですが、思いもよらぬ形でミーコが帰ってきた事が一度だけありました。それは冬の夜。真夜中、私が寝ている時にミーコがベッドに登ってきたのですが、ずぶ濡れでガタガタ震えています。そりゃそうですよね、真冬にずぶ濡れになれば。
慌ててベッドを降り電気ストーブをつけました。震えながら付いてきたミーコをその前に座らせ、暖かくなってきたのを確認すると「タオルを持ってくるから少し待ってろ」と言いました。ミーコは目を瞑って「了解」のサインを出します。大急ぎでタオルを持ってくるとミーコからほんのりと湯気が……。タオルで冷たい身体をくるみ水気を拭き取ります。嫌がるんですがそれどころじゃありません。取りあえず拭けるだけ拭いて、ミーコの震えが止まると電気ストーブを消してベッドに戻ります。ドライヤーは怖がって逃げてしまうので使えません。ましてや真夜中ですし。布団の中に入れてやるといつものように身体をくっつけて寝そべるミーコ。例によって私の左腕に前足を乗せてスフィンクス状態。とりあえず風邪を引く事はなさそうかなと安心して一緒に寝ました。
翌朝。目を覚まして布団の中を覗くと、いつものように私と同じように左を向いて爆睡しているミーコが。いつものふかふかな毛に戻り、穏やかな寝息を立てています。その後もごく普通に過ごしていましたので風邪を引いたりはしていなかったようです。
ただ……私が布団を干すのを忘れていたためでしょう、後日布団を干したらミーコが寝ていた辺りがちょっとカビていましたw

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