三毛猫ミーコの思い出話① 「猫襲来」

スポンサーリンク

それは今を遡ること○○年前。昭和と呼ばれた活気に満ちた時代の事。当時中学生だった兄が急に「猫を飼いたい」と言い出したのが始まりでした。

私たちが幼い頃にも我が家には猫がいて、可愛がっていたのを覚えています。白地に黒ブチだったのを覚えています。兄は時々その猫の思い出話をしていて、弟である私はボンヤリした記憶を辿りながら「そういやそうだっけ」程度の反応をしていたものです。

もともと動物が好きな私はすぐさま賛成しました。犬を飼っている友人が羨ましくて、そいつの家に遊びに行くたびに犬を撫でくりまくっていた日々が終わるかも知れないという期待。それが当時小学生だった私の胸をときめかせます。

両親との話し合いの結果、「ちゃんと世話をするなら」という条件つきでOKが出ました。やりましたね。ここで明らかになったのですが、剣道部だった兄は後輩が飼っている猫に子供が生まれたので里親を探しているとのこと。「それならば」というか「絶好のチャンス!」と思ったのでしょう、早速子王道に移したというわけです。ちゃっかり者ですね。さすがです。

そんなこんなで翌日。部活が終わり帰ってきた兄が学校指定のリュックサック(体操服とかを入れるのに使っていた)から取り出したのは……小さな三毛猫。まだまだ仔猫としか言いようのない小さく華奢な体。その猫が初めて目にする光景を人間を見てニャーニャー鳴いています。警戒しているのか母猫を探しているのか……今にして思えば両方だったのでしょう。

しかしそこはこちらもまだまだ子供。「可愛い!」しか頭にありません。早速頭やら背中やら撫でまくります。それでも相変わらずニャーニャー鳴き続けてはいますが、先ほどまでに比べると少しだけ泣き方が穏やかになったような気がします。こちらに害意がない事は伝わったのでしょうか。

こちらも少し落ち着くと、気になるのがトイレ問題。何しろ昭和の昔な上に中国地方の片田舎。ペット用トイレだなんて洒落た物はありません。取りあえず浅い箱(というか蓋)に新聞紙を敷き、その上に千切った新聞紙を重ねていって臨時の「猫用トイレ」とする事になりました。

問題はこれをどうやってこの仔猫にトイレだと認識させるかです。どうしようかなぁと兄と二人で考えていると……なんと仔猫がスタスタと「臨時猫用トイレ」に入り用を足しているではありませんか。

「手間のかからん猫だなぁ……」

今にして思えば後輩さんのところでトイレのしつけが終わっていただけなんでしょうけどね。当時はそこまで思い至りませんでした。

続く

コメント

タイトルとURLをコピーしました