光軸とは
平たく言えば「光の軸線」の事です。これだけだと分からない人はさっぱりですね。図で表すと反射式望遠鏡というのはこんな仕組みで光を集めています。
赤い線が光の道筋になります。なんか回りくどいようにも見えますね。ざっくり言えばお椀型の主鏡から斜めにぶった切った斜鏡に反射させる事で光を収束させているわけです。
この鏡がそれぞれ重い上に汚れるので洗わないといけない。当然取り外すので光の軸線がズレてしまうわけです。なので鏡を洗ったり、ぶつけたり、車で移動中に揺れたりする事が大敵なのです。
さて今回は
カメラアダプターをうっかり落としてしまった際に打痕が付いていた事に気付かず、「なんか迷光が入る」「なんか光軸がズレてる」と光軸がズレていないにもかかわらず、打痕付きの状態に合わせて調整してしまったが為に返ってズレてしまったという痛恨の一撃を解消するためにやる事となりました。
満月期の晴れた夜を活用
R200SSで狙うのはやはりDeepSkyObject。要するに遙か彼方の星雲や銀河です。そいつらを狙うには月明かりが大敵(街明かりもですが、これは年中無休状態なので)。なのでこの望遠鏡を使うのは主に新月期です。ですが満月期の方がなんか晴れやがるんですよねw
それなら月や惑星を撮ったり観望したりすればいいんですが、それはもう一つの望遠鏡がメインです。なのでR200SSの光軸調整は満月期の晴れた夜に行うのが私のやり方です。他の方はどうしてるんでしょうね。
いざ調整
さて、やり方ですがまず普通に望遠鏡をセッティングします。フィルターやレデューサー、コマコレクターの類いは取り付けません。素の状態というか大元の状態で行います。レーザーコリメーターなんかもありますが、やはり最後は実際の星で追い込みますので、私は鏡を外した時以外は最初から星で行います。鏡を外した時は昼間のうちに十字線アイピースでざっと合わせておきますが。
そしてこの望遠鏡は撮影メインですので、カメラを使って行います。
まず普通にアイピースを取り付けて、比較的高度の高い一等星を導入したらカメラを取り付けます。そして(私の場合は)ステラショット2を立ち上げ、ライブビューで確認します。
ピントをズラすと、大きくぼやけた星の光の中に斜鏡とそれを支えるスパイダーの影が見えますね。これをど真ん中にバシっと合わせてやるのですが……星の右端が少し切れて歪になっています。主鏡を傾けすぎですね。ちょっと真ん中に移動させてやります。
どうやるかと言うと、望遠鏡の後ろ側に三カ所イモネジと皿ネジが付いているのが分かるでしょうか? これで主鏡を押したり引いたりして調整するわけです。
どれを動かしたらどう動くのかは、動かした方へ動く! これでOKです。やれば分かります、やればね。
で、調整したのがこちら。
まぁ良さげですが、もうちょい拡大しましょう。
うん、いい感じ。
で、これはピントの内側。じゃぁピントの外側は……。
もうちょい拡大しましょう。
うん、いい感じ。
テスト撮影
ステラショット2だとカメラのライブビューで拡大して見る事が出来るので楽ですね。センターマークも出ますし。反射式は星の位置が中央からずれると星の形が歪みますし、鏡を押したり引いたりすると当然星の位置がずれるので赤道儀で微調整しながらやる事になります。なので中央が分かりやすいというのは大きなメリットなんじゃないかと。
で、そのままテスト撮影が出来るというのもいいですね。
それがこちら。
拡大してみましょう。
うん、いい感じじゃないでしょうか。
後は調整ネジを増し締め(締めすぎないように注意)して完了!
といえば簡単そうですが、割と大変で。実際には汗だくになってますw
コメント