三毛猫ミーコの思い出話⑨ミーコと鏡

三毛猫ミーコの思い出話
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考えてみれば

自分の姿形を理解している動物はなかなか居ないんじゃないでしょうか。人間くらいなものですよね。「鏡」という物や概念を理解していないと分からない事でしょう。そう考えると「鏡」という物を発明した人は天才でしょう。昔は水鏡や銅鏡くらいしか無かったんだろうとは思いますが。

そう思っていたらなんと「ふるさと納税」の返礼品に銅鏡があってビビっていますw

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相変わらずイカレタ返礼品があるなぁ……。

ある日

母の三面鏡の前にミーコがじっと座っていました。身動ぎ一つせずじ~っと鏡を見つめています。何事かと思いミーコに聞いてみました。

「どうしたミーコ。何見てるんだ?」

「兄ちゃん、知らない猫がいる」

と言わんばかりに興奮気味の顔を向けてきます。そりゃまぁ鏡を知らなければそうなりますよね。そこで鏡という物を教える事にしました。

「ミーコ、これは鏡と言ってな、前に来た物が映る道具なんだよ。今見えてる猫はミーコ自身なんだ。兄ちゃん達にはミーコがそう見えてるんだよ」

「ホント?」

と聞きたそうな顔をしてるのでミーコのすぐ横に顔を持って行って見えるようにします。

「ほら、兄ちゃんが見えるか? こういう事だ」

と言いながらミーコの頭を撫でてやりました。

「うおぉぉぉ! ホントだ!」

と言わんばかりに目を丸くして驚くミーコ。この時少しだけ仰け反っていました。ミーコが驚いた時の仕草です。

「分かったか?」

「わかったぁ!」

と納得&興奮気味の顔を向けてきました。こうして自分の姿形を理解した猫となったミーコは、その後も三面鏡の前で時々自分の姿を眺めていたのでした。私はそんな時に必ず声をかけていました。

「ミーコ、また自分を見てるのか? 可愛い猫だろう?」

「うん、可愛い」

と笑顔(というか目を閉じて納得した表情)を必ず返してくれていました。

 

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